自分は剣道を小学1年の時から始め、はや17年以上も経過した。
さすがにそれだけやれば、いろんな環境でいろんな人といろんな練習をしたんだけど、
今回はその中でも、色んな意味でシにかけた練習3選をお届けしたい。
むしろエゲつなさすぎて事件化してるんだけど、
その辺も一緒に楽しんでいただけたら幸い。
剣道でシにかけた練習3選
自分が17年間剣道をやってシにかけた練習(事件)を3つ紹介しようと思う。
剣道でシにかけた練習3選
- 体育館追い込み事件
- 終わらない掛かり稽古事件
- 自分、列に並んでないです事件
体育館追い込み事件
小学校を卒業して中学に上がった時期に勃発した「体育館追い込み事件」。
中学になると部活に加え、道場での練習が週に3日行なわれるんだけど、
その道場の練習の、土曜日の夕方練習がホントにキツかった。
バスケットコートを行ったり来たりするメニュー
そこで始まるのは地獄のメニュー。
メニューは「切り返し」をバスケットコートの長さで行なうもの。
剣道を知らない人にとっては分かりづらいと思うんだけど、
簡単に言うと、竹刀を振りながらバスケットコートのゴールからゴールまでを行き来する練習。
まずその距離感がしんどい。
中学一年生の自分としては竹刀を振り続けることですらしんどいのに、
それやりながらバスケットコートを縦横無尽にかけまわるとか、
控え目に言って、アタマおかしい。
ちなみに剣道の試合コートはバスケットコートのおよそ半分。実践もクソもない。
体格の違う年上との練習
しんどいのは距離感だけじゃない。
練習するんだからもちろん、練習相手がいる。
そしてその練習相手にキツイ部分があった。
当時、中学一年に上がったばかりの自分だったんだけど、
中学一年がいるってことは当然二年も三年もいる。
さらに自分の身長は当時140㎝前後のカワイイぼっちゃんだったんだけど、
年上の先輩は成長期の真っ最中で170cm近いパワフルピーポー。
当然、体力や筋力の差が生まれる。
そんな中、同じメニューを同じ環境で練習したら、なんていうか
飛ぶぞ。(意識が。)
精神的にもキツイ
その練習のメンバーには高校生もいたこともあったし、
常に試合に出ている、めちゃくちゃ強い先輩もいた。
その人の練習相手にもならないといけないから、技を受けるんだけど、
実力の差がありすぎてスピードに追い付けない。
そうなると先輩の練習にならないから、かなり申し訳ない。
先輩たちは優しい人しかいなかったからよかったんだけど、
先生からめちゃくそに言われる。
「おい、○○(先輩の名前)の練習になっとらんぞ」
みたいなこと言われ、そういう目で見られるのが精神的に苦痛。
でもこっちからしたら「当たり前やろボケ。」って思う。
けど言えない。それが練習。
何しても怒られる
そんなキツかったらやめればイイじゃんって思う人も多いと思う。
ただそんな単純なハナシではない。
もし自分が練習を抜けたとしても、同じ苦しみを味わっている同級生がいるワケ。
同級生がまだ頑張っている中、抜けたとなるとどうなるか。
そう、練習後に彼らに愚痴られる。
でもこれって割と実はイイ雰囲気なんだけどね。
サボろうとした人にそのリアクションだったら割とアリだったんだと思う。
そこには「愛」があるから。
でもこれは違う。ホントにキツいから抜けているだけであってそこにサボろうとかは一切無い。
そこに愛はあるんか。いや、無い。
追い打ちをかけるアドバイス(?)
どんな練習でも、見てくれる先生が練習中にアドバイスをくれることがあると思う。
剣道にももちろんあるし、大変ありがたいことなんだけど、この練習だけは違った。
ひとつひとつの号令の間に、先生が集合をかけるんだけど、
その先生の態度があきらかにおかしい。
シンプルに機嫌悪い。
先生の言葉を聞いていると、
「声が小さい。やる気あるの?」とか
「やる気ないなら帰れ。」みたいなことを言って追い詰めてくる。
極めつけは、「もうええ。」って言って逆に先生が帰りかけるみたいな状況。
中学生の自分らは、もうてんやわんや。
松井(やべえ、先生どっかいったぞ。
練習終わったのは正直ラッキーだけど、このままじゃヤバい気がする。。。)
みたいな感じで、もはや練習にもならないワケわからん状態。
謝りにいこうってみんなで相談するんだけど、
練習メンバーの一人が「でも何も悪いことしてなくね?」
とか言う、身も蓋もない事言い出す始末。
もちろんそういう指導もあるかもしれないけど、
中学生には精神的にキツすぎた。
ちなみにその後、謝りに行って練習再開。
もちろんその後もしっかり地獄。
ってか何しても地獄。
当時中学生にして、体力的にも精神的にもイジメられすぎた事件。
おかげで今でもちょっとのパワハラくらい、全く動じなくなった。
終わらない掛かり稽古事件
それは2014年1月19日の午前練習。ホントにキツすぎて日付を覚えて記念日みたいになってる。
当時高校生の自分はその前日に大会があって、まあまあ不甲斐ない試合をしてしまった。
その次の日の練習に、事件は起こった。
試合を見て奮い立ちすぎる顧問
さっきも言ったけど、前日の大会で不甲斐ない試合をして負けてしまった。
その結果を踏まえて自分ら選手も奮い立って練習していたんだけど、
自分ら以上に奮い立ってたのは顧問。
いつもは最後しか一緒に練習に参加しない顧問なんだけど、
その日は割と序盤から参戦。そして地獄が始まった。
終わらない掛かり稽古
防具を付けきった顧問はこう言った。
顧問「おいお前ら全員並べ、松井は一番前な。」
松井「はい!」
(ちょっと待って!?!?!?なんでオレ一番前なん!?!?)
よく分からないまま、言われた通りに並んだら地獄の始まり。
急に先生に構えられて、掛かり稽古開始。
剣道を知らない人の為に掛かり稽古を簡単に説明すると、
打たせる側の人はひたすら面やら小手やらを開けて打たせる。
そして打つ側はひたすら打っていく。
一つ打つごとに身体全体を使って打つから体力がどんどん失われていく。
3回連続で打ったらもうしんどい。
さらにそんな中相手は顧問の先生だから、
厳しすぎてテンポが速い。
何回打ったか分からないし、いつ終わるかもわからない状態で、
どんどん打たせようとする状況。地獄。
あきらかに自分がキツいローテーション
一通り終わって一息つく松井。
一息といっても面をとって水分補給などできない。
顧問も言ってたけど、部員は全員一列に並んでいる。
んで一通り稽古が終わったら列の最後尾に並んで、次に並んでいた人が打ちにいっての繰り返し。
その時は自分以外の練習メンバーが5人はいたから5人分は休憩なんだよね。
そう思っていたら全然違った。
松井は5分くらいずっと打ち続けているのに、
他の人は一振りで終わる。
「ちょっと待って!?!?!?
いやなんであの人、一振りなん?松井5分は打ち続けたよ?」
ワケわからん状況である。
と思いながらまた自分の番がすぐにやってくる。
そしてまたその人は一振りで終わる。
察しがイイ人は気づくかもしれないけど、
その人が一振りで終わるってことはその分ローテーションは短くなるってこと。
となると自分の番が早く来るし、休憩時間は無くなってくる。
それが2時間くらい続いていた。
普通に限界を超える。
相手は屈強な肉体の顧問
高校の顧問はホントに強かった。
剣道はもちろんなんだけど、何より体がバキバキだった。
筋肉のつき方がすごくて、高校一年の選手が体の当たりで勝てる相手じゃなかった。
練習も盛り上がって顧問もヒートアップしてきて思いっきり体当たりしてくるんだけど、
ホントに吹っ飛ぶ。
飛ばされたら転ぶし、その度に立ち上がりはするんだけど、また吹っ飛ぶ。この繰り返し。
そうしている間に体力は尽きるし、体だけじゃなく意識まで飛びかけてた。
それを一時間以上もやろうもんなら、
もう記憶が無いくらい、気力で体を動かしてたし、
あの時間は生きた心地がしなかった。
肉体的にめちゃくちゃキツかった事件。
その日疲れすぎて練習後、剣道場で爆睡していたのが懐かしい。
ホントに、あれだけはもう味わいたくないってくらい超ハードモード練習。トラウマ級。
自分、列に並んでないです事件
自分が小学5年生くらいのころ。
道場の掛け持ちをしてて、キツイ道場の方に練習しに行った時のことだった。
ヤマンバみたいなボス先生
その道場の一番偉い、ボス先生は厳しくてめちゃくちゃ怖かった。
超ド級のキツい練習を指示してくるし、
稽古お願いすると大抵ぶっ飛ばしてくる。
心の中で何度もコロされると思った。
多分、自分があった女性の中で一番怖いと思う。
その人のことを今でもヤマンバだと思ってた。
そして今回の練習もこのヤマンバにコロされかけたんだ。
選択はキミ次第な練習
多くの先生たちがいたので、
先生が全員面をつけて横一列に並んで、
自分ら生徒は各先生たちの前に並ぶという隊形。
そしてキツイ稽古でおなじみの掛かり稽古が始まる。
先生だけじゃなく生徒も人数が多かったので、
一人の先生に3~5人の生徒が並ぶカンジだった。
並んだ先生との練習が終わったら他の先生のもとに並びにいくって流れ。
次の先生は生徒自身が選べるから、
自分を追い込むこともラクをすることもできる。
マジメだった自分
正直言ってこの練習はラクしようと思えばラクできる。
キツい先生の列に並ばなければイイもん。
特にヤマンバの列に並んだときは、
吹っ飛ばされたり転ばされたりで、確実にボコられる。
しかも松井より体がゴツい子も吹っ飛ばされているんだから、
自分が行ったら命があぶねえと思ってた。
それに自分が並ばなくたって自分より年上の人がボコられてくれるから、
自分に非は全くない。安全第一。
でも当時マジメだった自分は、
一回の練習で一度はヤマンバの列に並ぼうというルール「最低1ヤマンバ」を決めてた。
だから練習の一番最初だけ並んで、あとは他の先生のとこ行こって決めてた。
分かりやすく言うと、嫌いなものを最初に食べて、苦しみを最初に味わって終わらす感覚。
しかし、そんな甘い考えはヤマンバには通用しなかった。
いよいよ事件勃発
この日も一番最初に並んで、例のごとくボコられた。
でも自分の中のノルマの「最低1ヤマンバ」というハードルは越えれた。
「いつかシバくからな、覚えとけ。」と睨みながら、ヤマンバの列をあとにした。
そして練習も終盤。事件は起こった。
終盤ってこともあって、ヤマンバはヒートアップ。
生徒は次々になぎ倒され、泣き出す子も少なくない。
それを横目に「あー今日もやってんなあ」って思いながら、
ヤマンバの隣の列に目を向けると人数が少なくなっている。
「お、空いてるから行こっと」と思い、ヤマンバ隣の先生の列に並んだ。
そしてその列の一番前になった。
いよいよ次だなって思った瞬間、隣の列にいるヤマンバが自分に竹刀を向けた。
ヤマンバは「次、おまえだろ?早く構えろ」みたいな目でコチラを見てくる。
いや、自分は隣の列ですけども。アナタの列はアチラですよ。
ヤマンバさん。アナタ間違ってますよ。と思ったけど、
とても言える雰囲気では無い。マグマ並みにヒートアップしてるから。
じゃあ自分ができることはなんだ。
そう、ヤマンバに掛かり稽古をしてもらうこと。
そしてボコられること。
尋常じゃないボコられ具合
いや、ツイて無さすぎだろ。って思いながら、ヤマンバに向かって打ち込む松井。
しかしツイて無かったのはこれから。
なんだか、いつもよりボコられる。
ヤマンバのヒートアップ具合エゲつねえゾって思いながら打ち込み続けた。
気づいたら竹刀は飛ばされるわ、自分の体は一回転してるわでワケわからん状態。
分かりやすく言うと、アクション映画のやられ役みたいな状態。
そしてトドメは吹っ飛ばされた勢いで、床に後頭部を思いっきり撃って気が飛んだ。
一瞬だったけど、確実に自分のシステムがシャットダウンした。
その剣道場の床って比較的柔らかい木でできているからセーフだったんだけど、
体育館の硬い床だったら確実に逝ってた。
それくらいハデに頭ぶつけた。ってか柔らかい床でもセーフではないけれども。
でも不思議なもんで、立ち上がらないとホントの意味でトドメを刺されると感じたのか、
頭も心も体も拒んでいるのに、本能的ななにかで立ち上がった。
10歳で本能を感じたのは、自分くらいだと思う。
人間の不思議さと理不尽さを、当時10歳で学んだ。
ってかなんで列に並んでないのに、シにかけなきゃならんのや。
運悪すぎるやろ、思いながら自分を呪った。
ちなみにその次の練習からヤマンバの隣の列に並ばなくなった。
念には念をで、2列隣まで並ぶのを辞めた。
まとめ:今笑えているのが奇跡
剣道でシにかけた練習3選
- 体育館追い込み事件
- 終わらない掛かり稽古事件
- 自分、列に並んでないです事件
以上が、きつかった練習3選。
ホントにトラウマレベルできつかったし、二度とやりたくない。
今じゃ笑い話になってるけど、当時ホントに笑えなかった。
むしろ今笑えているのが奇跡なくらい。
これを見ている人が、自分なりのきつかった練習を思い返して、
笑えていることを祈っている。