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教える立場への転向
きっかけ
小学生から始めた剣道もすでに12年が経過。ここまでやってるとさすがに剣道ではおなかいっぱい状態。高校でも散々苦労したので正直、やめようかと思っていたが一つだけ心残りがあった。それは中学時代の恩師に言われた教えるということ。実際、高校時代キャプテンをやりながらも、弱小のチームでどうやったら勝てるかを自分なりに考えてたこともあって、指導者っていうジャンルにも興味を持っていた。
舞台は「自分が育った」道場
愛知県に引っ越してからお世話になっている自分の道場に、高校生のときもチョイチョイ顔を出させてもらってた。その道場の特徴って20代のお兄ちゃんたちが剣道を教えてくれてることなんだけど、その姿を見て20代でも教えることってできるんだっていうことを知った。剣道って高齢社会だから、教えるのって基本的におじさんばっかなわけ。自分が静岡で剣道をやってたときもそうだったし、大半の剣道クラブはきっとそう。でもこの道場をみて、20代先生の可能性を知れたし、自分もやってみよかなって思えた。それと静岡から来た自分を拾ってくれた感謝の気持ちもちょっぴり混ぜながら、この道場で指導者をする道を選んだ。
教える対象は「中学生」中心
この理由は単純明快で、中学生の時が一番楽しかったから。ただそれだけ。でも大学生になって教える立場で中学生をみていると、なんかみんな楽しくなさそうだった。もっと楽しんでもらいたいと思ったのが最初だったし、それは大学4年終わるまでブレなかったことのひとつ。だから道場だけじゃなくて、中学の部活にも何度かお邪魔させてもらってたけどこの年になっても、相変わらず楽しかった。
自慢の教え子ちゃんたち
「教え子」って言っちゃうと厚かましいし、ナニ偉そうに言ってんだって思うかもしれないけど、ほかに表現が無かった。だから許して。
優秀な0期生
大学一年が始まる前から教え始めたんだけど、当時の中学新3年生はかなり優秀だった。小学生から剣道やっている子が多くて、実力者も多かった。みんな活気もあったから放っておいても勝手に育ちそうな勢いだったので、自分の出る幕は無かった。自分がやったことと言えば、ほかの先生が教えている姿をみせてもらったり、中学生とガチ勝負することくらい。当時自分は19歳という体力面では全盛期だったため、中学生にも打ち合いで制していた。もうできないけど。でもそれが唯一自分ができることだったので全力でぶつかった。今思えばスーパーハードな打ち合いしてた。
実際自分が教えたことなんて彼らの経験の一部なだけだから0期生だけど、彼らがいてくれたから自分も目標を持つことができた。卒業しても道場来てくれたから子供たちにもいい影響与えてくれたし、何より自分が楽しかった。スキ。
未経験者揃いの1期生
初心者軍団の男子たち
優秀な0期生の一つ年下の子たちなんだけど、こっちは真反対で小学校から剣道やっている子が圧倒的に少なかった。指導者4年間の中でも、あそこまで初心者の割合が多かったのは無かったくらい。特に男子は剣道始めたのは中学からって子も多く、そして正直へっぽこ揃いだった。自分も一応小学生から剣道を始めていたから、中学校から剣道を始めるっていう感覚が分からなかった。指導者一年目からハードモード。
心の支えの女子たち
小学生から続けている子が女子の中でちらほらいたけど、その子たちにはホントに助けられた。特に一年生からレギュラー入っている子にはなぜか相談しながら練習メニュー考えてた。おかげで指導者としては1年生の自分に大きく影響を与えてくれた。
伸びしろMax世代
でも男子がずっとへっぽこだったわけじゃない。努力家な子が多かったし、そして何より剣道が好きだったんだなって感じた。それに続いて女子も奮起。最後の大会も正直、勝ち上がるのも厳しいかなって思ったけど、必死に喰らいついて次の大会に進出。その子たちの試合を見て、剣道の試合で初めて感動した。必死に喰らいついて勝ち上がる彼らの姿は、見ていてすげえ誇らしかったし、今でも自慢できる。てか実際、この記事で今自慢している。最終的に0期生たちと並んでいたし、小学生から始めようと中学から始めようと結局はその子たちのやる気次第なんだなって感じた。やはり子供たちには可能性しかないことを学んだ。
各中学の主力の2期生
それぞれの中学、それぞれのチーム
2期生は小学生から続けている子が多かったん。でもこれまた珍しいんだけど、道場に来ている子たちがみんな違う中学校だった。同じ中学がいても2,3人がいいとこ。
今まで教えてた子も、自分自身も、道場にはチームメイトが何人か来ていたし、それがモチベだった部分もある。
でも彼らはそれが一切なかったので、心配と尊敬のハーフ&ハーフだった。
それぞれが主将(キャプテン)
小学生から続けている子が多かったためか、それぞれが主将を務めていた。自分も高校時代に主将だったため、その経験を伝えていたけど、剣道を教える以上に難しかった。
でもチームを強くしないと勝ち上がれないし、何より楽しくないっていうジレンマもあって、何かと苦労した。
それぞれのチーム
苦労しながらも、それぞれがそれぞれのチームを作りあげていった。その結果、最後の大会も、道場の子たちのみんなが勝ち上がってそろって次の大会に行くことができた。勝ち上がって同じ道場同士の子が試合をする姿を見て、成長を感じてうれしかった。
今までは、一つのチームに全集中で優勝スタイルだったけど、今回は違って、それぞれのチームが勝ちを目指してがんばるスタイル。
これはこれでアリな感じ。2期生万歳。
学生指導者ラストイヤーの3期生
自分も3期が引退する時には大学4年生ということもあって、これが最後の年となった。
そんな3期生は小学生から剣道始めた子もいれば、中学から始めた子もいる。まさに自分の今までの経験を活かす集大成となった。
それでも苦労することは多かった。結果もでないことの方が多かったし、思い通りにならないことも多かった。
それでも最後の大会もしっかり勝ち上がってくれたし、頼もしく感じた。
ハイレベルな3期生
自分の中学時代よりずっと強かった気がする。時代が変わって剣道のレベルが上がったのもあるけど、少なくとも自分の実力よりずっとレベルが高かった。半分尊敬で、半分うらやましい気持ちでかなり複雑だけど、うれしい感情と割り切っている。
恵まれた環境と支えてくれた子供たち
高校生になっても来てくれた0期生
中学生の練習に交じって一緒に練習してくれる高校生がいたんだけど、それがすっごい助かった。
主に0期生が多かったんだけど、一緒に練習してくれるだけで全体のレベルが上がって頼もしかった。
高校の練習だけでも大変なハズなのに道場の練習にまで来てくれて感謝しかない。
そして何より、中学生のお手本として常に存在しつづけてくれた。常に努力する姿を中学生に見せてくれたおかげで、
その下の中学生たちが頑張れたんだなと感じた。努力が人に与える影響は大きい。
子供たちが教えてくれた剣道の楽しさ
自分の現在は実業団選手として、再び大会や試合にでている。そのきっかけをくれたのは、まぎれもなく教えていた中学生たち。中学生の成長する姿や試合で勝つ姿を見て、自分も選手としてもう一度がんばってみよかなって思えた。というか思わせてくれた。やっぱ剣道って楽しいよってことを。それだけでも子供たちが自分に与えた影響って大きくて、今でも感謝しきれない。
指導者として得られたもの
尊敬できる先生との出会い
自分が指導者としての4年間過ごしていく中で、丸ごとお世話になった先生がいる。その人は自分が中学の時から剣道を教えてくれて、今もなお先生として子供たちに剣道を教えてくれている人。その人が自分に、教えることの楽しさを本当の意味で教えてくれた。よくご飯にも連れてってもらったし、相談にも乗ってくれたし、それはもうホントにお世話になった人。子供たちに対する姿勢や声のかけ方、そして子供たちへの向き合い方など、多くのことを学ばせてもらった。もはや標みたいな存在。尊敬しすぎてパクれるもの、すべてをパクった。自分の人生に最も影響した人TOP3には入るくらい、尊敬する人に出会えたのもこの指導者をやって得たもの。
友達感覚の教え子たち
いやもうちょっと先生らしくしろよって人もいるし自分もそう思うけど、自分には無理だった。
一緒にご飯もよく行くし、インスタとかもフォローされる。自分の私生活見ても面白くないハズなのに。
でもそういう関係も悪くない。自分も怖すぎて近寄れない先生より、子供たちとワイワイやってた方が楽しいし幸せ。これが私のアナザースカイ。
貴重な経験を得られた指導者という道
剣道と向き合った4年間
選手だった時以上に剣道と向き合った4年間だった。練習後のノートとか選手の頃じゃ絶対しなかったのに、なぜか指導者になって毎回書いてた。
他にも、自分の教えている子が出場しているわけじゃないのに大会を見に行って強い選手を観察してた。我ながら気持ち悪い。でもおかげで継続力ってのが多少は身についたし、忍耐力も上がった。気がする。
教えることで得られるものは大きい
子供たちは順調に育っていたけど、それ以上に自分も成長できた気がする。物事の進め方とか、計画の立て方、組織の成り立ち方とかいろいろ知れて、今後の自分に確実に役立つことを得られた。でもコレって不思議。教えているのは自分のハズなのに、同時に子供たちに教えられている事もある。これが指導者のホントの楽しさなのかもしれない。
若い人が教える立場になれる環境がもっと増えればイイのにってめちゃくちゃ思った。剣道だけじゃなくて、全スポーツ業界も。今言ったように教えることで学べることも多いし、その学んだことは今後必ず活きてくる。教えることに少しでも興味がある方はぜひ挑戦していただきたい。
お金には代えられないモノ
ここまでの話、すべてにお金がかかわっていない。剣道を教えるバイトでも無く、単なるボランティア感覚。竹刀とかの消耗品の支援はしてもらったけど基本的にお金は頂いていない。正直なハナシ、教えに行っている時間をバイトに回してお金を稼ぐってこともできたし、何度か頭をよぎったけど、それでも自分は剣道を教える選択をした。その結果、教える立場になってできた子供たちとの関係、剣道の楽しさ、教えることの経験など挙げだしたらキリがないくらい、お金では買えないものを大学生活で得られた。それだけでも、費やした時間以上に価値があったと今でも思う。
剣道ヒストリー、堂々の完結
以上で自分の剣道物語は完結。といっても今もなお、実業団選手として剣道を続けてはいるものの、ここで一旦ひと区切り。実際、楽しいことより苦労したことの方が多いし、しっかり覚えている。だからこそ、ちょっとした楽しいことが自分にはすごく楽しく感じられるし、それだけで自分の人生はハッピー。そしてこの剣道で得たコミュニティと経験はは今後の人生できっと活きてくる。ハズ。
というわけで長らく読んでくださった皆さん、ここまで読んでくれてホントにありがとう。正直、一番楽しんでたのは自分だと思うけど、それが皆さんにも伝われば幸い。今後も剣道について、また教えるということについても発信していくので、ちょくちょく見に来てくれると嬉しいです。