いつの間にやら自分の住む日本では東京オリンピックが開催。
コロナで開催反対派が多くいたけど、始まったらみんな楽しんでて何より。
そういえば松井のずっとやってきた剣道はオリンピック種目にならないの?
って声が聞こえてこなさそうでもないから、
このオリンピックという流行りに乗っかって、
剣道がオリンピック種目にならない理由を考察してみた。
こんな方におすすめ
- 剣道を知っている人
- 剣道を見たこと・やったことがある人
- オリンピックに注目している人
剣道はオリンピック種目ではない
剣道は長らくオリンピック種目に採用されていない。
しかも日本発祥である剣道が、東京オリンピックで競技として採用されないのは、
いよいよヤバいし深刻すぎる。
世界選手権では日本は優勝しまくり
剣道にも一応世界選手権ってのがあるんだけど、
その大会で日本は優勝しまくっている。
それくらい日本の剣道はレベルが高いし、
レベルが高いということはオリンピックでも十分メダルが期待できる。
そんなハズなのにオリンピック種目にならないのは、由々しき事態。
剣道がオリンピック種目にならない理由
ここからは松井が剣道を17年以上やってきて感じた、
剣道がオリンピック種目にならない理由を挙げていく。
なお、これから挙げる理由は、あくまで松井の見解であって公式的なものじゃないから、
その点ご了承いただきたい。
剣道がオリンピック種目にならない理由(自論)
- オリンピック種目になることを望んでいない
- 人気が無い
- 見ていてよく分からん
オリンピック種目になることを望んでいない
そもそも剣道をオリンピック種目にすることを、
全日本剣道連盟が嫌がっているからってのが一つの理由。
一応、剣道の国際化ってのは徐々に浸透しつつあるんだけど、
その中で全日本剣道連盟は、以下のように言っている。
「剣道がオリンピック種目になれば勝利至上主義や商業主義に陥り、
剣道の持つ武道的特性が失われる。」
ということで現状に至る感じ。いつ、だれの意見か知らんけど。
コレに対し多くの方が、
「負けるのが怖いだけ」とか、
「他に理由はある」などなど色んな意見がありそうだけど、
真相は闇の中。ホントのところどうなのかは誰にも分からない。
とは言え、そんなこと言ったら柔道もそうだし、
剣道でもオリンピックに似た世界選手権は開催されている。
なんなら勝ち負けの概念がある以上、勝利至上主義とかは無いワケ無いし、
防具や消耗品がある時点で商業主義は絶対にできる。
ココが武道とスポーツの違いであって、
武道である剣道はオリンピック種目に反対。らしい。あくまで個人の見解だけど。
人気が無い
人気があったら今頃オリンピック競技になっているハズだから、
まずは剣道の人気から疑ってみる。
なお、コレはあくまで日本国内のハナシだからその点注意。
剣道は少子高齢化社会
近年、少子高齢化が進んでいる日本だけど、
その最たるものが剣道界。
剣道の大会を見れば分かるけど、
剣道の人口は高齢者になればなるほど多くなってくる。
現に試合の審判は高齢の方が多いし、指導者や監督も同じ。
若い人が競技人口の中で少ないのは致命的。
「若い世代はどこ行った」問題
じゃあ若い世代の方はどうなったのっていうと、ほとんどが離脱。
多くの方は小学生や中学生の時に剣道を始めるけど、
その半分くらいが中学卒業時点で剣道部には入らない。
そこである一定数が高校の剣道部に入部するも、
高校から剣道を始めようとする人はごく僅か。
そして高校卒業時に大半が離脱。
高校卒業時でも剣道を続ける人は、警察に入るか大学の部活に入るかが8~9割。
あとは続けた方が珍しいレベル。
そんでさらに大学卒業時に剣道部に入ってた人も、
警察や教員にならなかった人以外はほぼ辞める。
ごく稀に、自分の子供が剣道を始めてから親が始めることや、
数年ぶりにやる剣道にハマった「リバ剣」もいるけど、ホントにごく僅か。
他の競技と比べ、趣味で剣道する人が少なくなっていることから、
剣道の少子高齢化は進みまくっている。
動ける若い人がいないとオリンピック運営側も人手不足になりうるから、
コレは深刻な問題。
剣道は4Kの時代
えーそんな画質いいの、と思ったそんなあなたは時代に十分ついていけてる。
でも今回の4KはフルHDの進化系のことではなく、
「汚い、臭い、怖い、経済的でない」
のこと。ちなみにこの4Kという呼び方は松井独自。
でもこの4Kは、大多数の人が剣道に対する印象だと思う。
これが剣道の人気の無さにつながっているし、
コレを払しょくしないと人気はでない。
汚くて臭くて怖そうな剣道
まず剣道はスポーツであって当然汗をかくんだけど、
その量が尋常ではない。
ゲキ暑空間の中で、道着とかいうワケわからんくらい分厚いものを着て、
防具というワケわからんくらい重たいものを身に着けているから、
とにかくワケわからん。やってきた自分でもよく思う。
コレを客観的にみると、どうなるか。
まず思われるのが「汚そう、臭そう」と。
そしてその環境下でさらに、
競技中にワケわからんくらい大きな奇声を上げている。
そこで見ている人は「怖い」と感じて萎縮してしまう。
このイメージは剣道とは離せないくらいの負のイメージになっている。
そしてそんなイメージを持つ競技をオリンピック種目にはきっとしずらい。ハズ。
剣道は費用がかかりすぎ
経済的でないのも、剣道が人気の無い理由のひとつ。
最近では徐々にコストは抑えられたものの、
剣道にかかる費用がかかりすぎ。
道着から防具まで一式を揃えようとすると、中々の値段がかかる。
それに加え、竹刀は消耗品なので定期的にお金がかかる。
ここまでで分かったと思うけど、
剣道をやるまでにお金がかかりすぎる。
そしてその防具たちをどうやって持っていくか問題だけど、
確実に車が必要となってくる。
となってくると剣道をやるうえでのお金がしっかりかかってくる。
若い世代が剣道をやりたがらない理由もココにある。
4Kは払拭されつつある
ここまでで剣道の4Kを紹介したが、
この4Kも徐々に払拭されつつある。
今や「洗える防具」も登場、清潔感を出せる防具にすることができるようになった。
また価格も抑えられてきて、ものによっては他の競技と変わらないとこまで来た。
剣道は臭くない時代が来ている。
そして、怖いのは慣れでなんとかなる(無理やり)。
見ていてよく分からん
極め付けはコレ。
剣道未経験者が剣道の試合を見たところで、
一本の有無が全く分からん。
シンプルに竹刀さばきが速すぎて分からない。
というか経験者の自分でも分からないくらい。
となってくると、見ていてよくわからん競技をオリンピック種目にするのはムズそう。
ぶっちゃけ、審判も見えてない
判定している審判は見えているよね、って思うかもしれないけど、実際そんなことない。
実際、全日本選手権がNHKで放送されていているんだけど、
一本になった技が部位に当たってないことも多い。
テレビだからスロー再生されることもあるけど、
当たってないときもスロー再生されるから解説の人が可哀そう。
でも審判も見切れないくらい、剣道のジャッジはムズい。
一本の条件が曖昧
剣道の一本の条件も一応決まっていてそれが、「気剣体の一致」。
深ぼっていくと一言じゃ済まないくらいなんだけど、おおまかに言うとコレ。
この気剣体の一致の内容が曖昧。
簡単に言うと、
「声を張り上げて(気)、竹刀の打つべきところで(剣)、力強い打ち(体)」
ができたら一本。
でもコレはあくまでマニュアル的なもの。
実際のところはその場にいる審判にゆだねられるし、
審判がイイって言えばそれは一本。
実際、誤審なんて当たり前だし、選手も暗黙の了解的なものも少なからず存在する。
その辺が曖昧だから、ギャラリーが見ていてよくわからん状況になりうる。
そうなってくると、オリンピック種目としてもむずかしい。
剣道は今後もオリンピック種目にはならない
剣道がオリンピック種目にならない理由(自論)
- オリンピック種目になることを望んでいない
- 人気が無い
- 見ていてよく分からん
以上が松井が考えた、剣道がオリンピック競技にならない理由。
原因は一つじゃないし、きっとコレ以外にもあるだろう。
そして今後もオリンピック種目にはならないだろうから、
世界的にも日本的にも、剣道の普及は大して進まないだろう。
個人的には、このままだと剣道界の少子高齢がますます進むだろうから、
それに全日本剣道連盟がどう抗っていくかが楽しみ。
マイペースな剣道業界にこれからも期待。